無条件で現金支給のベーシックインカムと条件ありきの生活保護、優れているのはどっち?
優れているのはどっち?
みなさんが凄く気になる部分だと思うのですが、「ベーシックインカム」と「生活保護」はいったいどっちが優れているのでしょうか?
以下の表をみて頂ければ一目瞭然で「ベーシックインカム」と「生活保護」の違いが分かります。
ベーシックインカム | 生活保護 | |
支給対象 | 収入や資産などに関係なく、全ての国民に支給されます | 収入や資産が一定以下の人に限定して支給されます |
手続き | 無条件で支給されるため、申請や審査などの手続きは不要 | 申請や審査などの手続きが必要 |
支給単位 | 個人単位で支給 | 世帯単位で支給 |
支給ライン | 収入が増えても減額や打ち切りになりません | 収入が増えると減額や打ち切りになります |
こうやって比較してみると収入や資産などに関係なく、全ての国民に支給されるベーシックインカムが優れているようにも見えますが、ベーシックインカムを導入すると、生活保護は廃止の方向になるでしょうし、その場合はメリットだけではなくデメリットも出てきます。
メリットの中で「社会保障は労働意欲や自由度を高める」とういう項目が一番気になったのですが、それは、労働にたいしてのモチベーションや責任感は収入に比例すると私は考えているからです。
例えば年収が500万円の人より、年収が600万円の人の方が働く意欲が高いのは労働者の役職も関係してきますが、収入にたいしての満足度も大きく影響してきますよね。
極端な話をすると、年収500万円の人より年収1,000万円の人の方が意欲的に働くのではないでしょうか。
それは、「1,000万円貰えるのだったら頑張る!」「高収入ならこれくらいやって当然!」などお金の重さをしっかり理解して仕事に励むことができるからです。
しかし、その逆に年収350万円しか貰えなとなると働く意欲もそれなりになるでしょう。
年収350万円しか貰えないのに、年収1,000万円の働きをしろと言われても誰もやらないですよね。
ちょっと極端な話になりましたが、もし毎月10万円収入のベースが上がったら誰しも嬉しくて外出する機会も増えるのではないでしょうか。
デメリットの中で「財源の確保が困難」という部分が一番気になったのですが、財源がないと出すものも出せませんよね。
ハリウッド映画業界の俳優組合がストライキ入りしたのを見ていて思うのは、少し先の未来を考えると、いつの日かAIや人型ロボットが人間を凌駕し私達の仕事を奪ってしまうという現象がハリウッド映画業界に限らず広い分野で起こるのではと推測しています。
近い将来、日本の企業での主戦力もAIやロボットに置き換わるでしょうから、そうなると人間はそれらの機械を管理する仕事に回るしかなくなります。
ベーシックインカムが最大の力を発揮するのはそういう時代が訪れてからではないでしょうか。
世の中の大部分を占める弱小個人はお金を稼ぐ術を失い、無言で朝から晩まで働いてくれるAIやロボットを新しい労働力として配置した企業は電気代と機械のメンテナンスさえしておけば、何もしなくてもお金がどんどん湧いてくるという未来がいつか訪れます。
なので、最大のデメリットである「財源の確保」はAIやロボットで私腹を肥やす企業からたくさんのロボット税などを取れば解決するのではと考えています。
比較した結果、軍配は?
「ベーシックインカム」と「生活保護」はどちらもパーフェクトとは言えず、働きたくても働けない人を中心に考えるのか、国民全員が働いてある程度の収入があるという前提で考えるかで変わってきます。
働きたくても働けない人には「生活保護」が有難いでしょうし、ある程度の収入がある人にとっては「ベーシックインカム」でお金を全員に平等に配って貰った方が都合がよいのです。
メリットとデメリットを知ると、どちらが優れているかはその人の置かれている現状によって変わってくるのではと思います。
仕事をバリバリこなしている今の私にとっては「ベーシックインカム」があると凄く助かりますが、働いていて現行並み所得がある人は「生活保護」は受けられませんし、働きたくても働けない人にとっては「生活保護」はすごく有難い制度になります。
生活保護の方は医療費も市区町村が支払ってくれますので、贅沢はできませんが最低限度で生きていくうえではこれ程充実した制度もないでしょう。
どれだけ優れた制度でも、必ずメリットとデメリットが存在するので不思議ですよね。
ベーシックインカムで一人あたり30 万円~40万円くらい配ってくれるのなら問題解決でしょうけど、そんな未来はたぶんないでしょう。
という事で、軍配は…「受け取れるお金次第である。」と結論付けておきましょう…